防災コンソーシアムのネットワーク拡大  

  本校は第Ⅱ期で地域の小中学校、行政と連携した「宇和島防災コンソーシアム」を構築し、地域の防災教育のリーダーとして様々な取組を行ってきた。
 第Ⅲ期では防災コンソーシアムをさらに全国規模に拡大し、ネットワークを構築していく。
本校主催「きさいや!BOUSAIゼミナール」の拡充  
 福島高校、灘高校、愛媛大学、東京理科大学、
 福島大学等と連携、ネットワークの拡大
南海トラフ地震事前復興デザインの推進
 愛媛大学と連携したプログラムの構築
 東京大学「復興デザイン共同体」の指導助言
「復興デザインスタジオ」東京大学大学院と連携した事前復興に関する授業
宇和島市と連携し防災コンソーシアムの運営


南海トラフ地震事前復興教育プログラム
 1年生理数科・普通科を対象に、南海トラフ地震事前復興教育プログラム「ロールプレイング・ディスカッション」を行いました。
 愛媛大学防災情報研究センター山本浩司教授と連携したプログラムであり、今後発生する可能性がある南海トラフ地震に事前に備えるため、生徒一人一人がさまざまな立場の方の立場になってロールプレイング・ディスカッションを行いました。
 参加生徒がそれぞれの立場や状況を自分ごととして捉え、真剣な態度で議論に参加し、多様な価値観を受け入れながら、よりよい解決案を求めて、各クラスで熱心なディスカッションが行われました。大災害からの復興における観点として「命を守る」「生活を守る」「自然を守る」「産業を守る」があり、多様な視点で事前復興の方向性を考えていく必要があると気付くことができました。地域の未来を担う高校生が、これからの南予・宇和島を支えていく原動力になってほしいと願っています。

※当日、NHKの取材がありました。NHKニュースでの放送の様子(動画)はこちらです。

「伝えること」で一歩を踏み出す―東北視察市民報告会― 令和5年9月4日
 令和5年9月4日(月)南海トラフ巨大地震などの大規模災害に備えたまちづくり「事前復興」の取組に関するキックオフイベントが宇和島市役所大会議室で開催されました。
 その中で、7月25日~28日「避難と復興のまちづくりを学ぶ東北研修」に参加した4名が参加者に向けた研修報告を行いました。
 発表者の4名は本校で防災や事前復興に関する研究や取組を行う有志「防災地理部」として活動しています。
 「私たちが見て、知って、感じたこと、考えたこと」と題し、被災した学校やそのとき起きたことから考える「避難」、多様な防潮堤の形態からまちづくりの選択を考える「復興」を軸としながら現地での見聞きしたことを報告しました。最後は自分たちの言葉で感じたこと、考えたこと、自分に起きた変化について語り、報告のまとめとしました。
 発表後は基調講演を行った東京大学羽藤英二教授、ツアープランを企画いただいた愛媛大学山本浩司教授をはじめ、参加者の皆様から御感想や励ましの言葉をいただきました。「自分事」として考える防災や事前復興をまずは宇東生自身が実践できるよう今後も取り組んでいきたいと思います。

発表1 発表2発表3 発表4
 


地域の防災教育のリーダーとしての取組 -宇和島
防災コンソーシアムの設立- 

  近隣の学校等に通う、児童・生徒の防災教育を発展させたいと考え、学習共同体(宇和島防災コンソーシアム)を設置した。市内小中学校との合同避難訓練運営や、宇和島市危機管理課に協力を依頼し防災学習会を実施したりした。また、近隣の高等学校と共同での学習会の実施、小中学校の児童生徒を対象とする防災キャンプの運営を高校生に行わせるなど、防災教育に関する様々な活動を行っている。


1 防災委員会の設置
  校内での防災に関する取組の際、生徒にとって良い活動ができるのではないかと考え、防災委員会の設置を提案し、設置するにいたった。避難訓練や文化祭での展示発表、校内外の諸活動の中心メンバーとして様々な活動を行っている。

2 防災教育チャレンジプランへの参加
 防災教育チャレンジプランに応募し、活動を行った。この活動は近隣の高等学校と合同で学習会を実施し、小中学校の児童生徒を対象とする防災キャンプの運営協力を高校生に行わせるというものである。
 宇和島市PTA連合、宇和島市教育委員会、宇和島市危機管理課、その他様々な団体と協力して防災教育に取り組んだ。『「世界津波の日」高校生サミットin和歌山』に生徒を参加させたり,宇和海沿岸地域事前復興共同研究に参加して「南海トラフ地震事前復興教育プログラム」の開発・実践を行ったりした。

 3 宇和海沿岸地域事前復興共同研究「南海トラフ地震事前復興教育プログラム」
   愛媛大学が中心となって行っている共同研究に参加し、教育活動の実践を行ってきた。復興教育をテーマにホームルーム活動を考案し、実施した。
 高台移転をテーマにロールプレイングディスカッションを行わせるという内容である。
 事前復興をテーマに課題研究にも取り組ませた。その課題研究では「防災地理部」というネーミングで活動を展開させ、東京大学「復興デザイン共同体」の羽藤教授や大学生・大学院生にも指導していただき、昨年度、生徒が復興デザイン会議にて研究発表を行った。

4 「きさいや!BOUSAIゼミなーる」(福島高校と宇和島東高校の生徒同士の学習会)の企画・運営
   
 令和2年度より実施している。宇和島のNPO法人と一緒に企画し、愛媛大学、東京理科大学、福島大学の協力を仰ぎながら福島県立福島高等学校とのオンラインミーティングやイベントを実施した。
 灘高校、岡山県矢掛高校等も加わり、規模を拡充して取り組んでいる。

5 6校合同避難訓練
   宇和島市危機管理課、愛媛大学などと連携を図りながら実施してきた。高校生と中学生との学習会を提案し、実施するなど、学習活動をさらに充実させている。

 6 宇和島防災コンソーシアムの設立
   これまでの近隣の学生同士の防災教育を発展させたいと考え、学習共同体を設置した。
 6校合同避難訓練の運営に携わったり、中央公民館での展示物を制作したり、上記「きさいや!BOUSAIゼミナール」に参加したりするなど、様々な活動を行っている。


令和4年10月22日(土)、23日(日)防災国体2022に参加

宇和島東高校は、3年前から、福島高校(福島)と交流活動を行っています。10年前に東日本大震災を経験した福島と、数年前豪雨災害を経験した宇和島が繋がり、防災について、未来について語りあうという趣旨で始まったオンライン交流が、灘高校(兵庫)、八掛高校(岡山)、宇和島南中等と輪を広げ、今回、防災国体で一堂に会し、ワークショップを開催することとなりました。

参観者にも協議に入っていただき、大変充実したワークショップになりました。

 お客さんを呼び込みます本校の防災の取組について紹介ディスカッションの様子「災害を自分事としてとらえること」をテーマに意見交換を行いました

続いて、灘区に移動し、神戸市の高校生、大学生で結成された「あすパユース」の皆さんと灘区のまち歩きを行いました。27年前の兵庫県南部地震。「このあたりの住宅はほとんどが全焼しました。でもこの家だけは無事でした。それは……」「ここは遺体安置所となったスペースです……」「ここには仮設トイレが設置されていました……」「この公園は仮設住宅が建てられた公園です……」震災のリアルを語り継ぐ活動を行っている彼らの言葉とその風景に、改めて”震災の現実”を突きつけられた気がしました。その後のディスカッションも若者同士、おおいに盛り上がりました。

 まち歩きの様子公民館内のホール。このスペースで100人を超える人が寝泊まりしていたとのこと。あすパユースの皆さんと

神戸での滞在中、本当に充実した時間ばかりでした。良い刺激をたくさん受けました。

防災ゼミな~るスタッフの皆様、各高校のみなさん、あすパユースのみなさん、本当にありがとうございました。