本校では、SSH事業を経験した卒業生、大学や研究機関で最先端の科学研究に取り組んでいる卒業生との交流会等を開催し、先輩から課題研究や進路についてアドバイスをもらっています。
SSH事業を経験した本校卒業生の協力により、卒業生が課題研究の助言者となり、本校SSH事業で得た経験知や大学で培った問題解決能力を在校生に受け渡し持続可能な課題研究指導システムを構築していきます。
【卒業生の協力による科学技術体験研修 関東STREAM研修】
卒業生の協力による科学技術体験研修の内容充実
令和5年度 関東STREAM研修 実施要項
1 実施の目的
〇スーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の一環として、研修前の学習や班活動を通して、自主的に取り組む姿勢を養うとともに、先進的な科学技術研究を行う大学や施設等を訪問し、講義や体験活動を通じて科学技術への関心を高め、知的好奇心と探究心をもって主体的かつ意欲的に学ぶ態度を養う。
〇科学技術研究が果たす役割、現在の研究、そして、研究が社会で実用化されている様子を理解するとともに、研究者・技術者に求められる資質や使命感についても考えを深めながら、自らの進路実現に役立てる。
〇研修を通して高校生としての自覚と規律ある言動を促し、生徒相互及び生徒・教職員間の信頼関係や人間関係を深める。
2 対象生徒
第1学年理数科・普通科より選抜 生徒35名
3 期日
令和6年1月17日(水)~1月19日(金)
4 訪問先
住友化学先端技術開発研究所、東京大学本郷キャンパス、アマゾンウェブサービスジャパン
①卒業生を訪ね最先端科学技術の現場に学ぶ-住友化学先端技術開発研究所 卒業生 中村 宏氏-
1月17日(水)1年生理数科・普通科 35 名が「関東 STREAM 研修」にむけ出発。この研修では 3 日間をかけて卒業生の活躍する現場を訪ね、最先端科学技術について学んでいきます。
第 1 日、最初のプログラムはつくば市にある住友化学株式会社先端技術開発研究所での研修。有機 EL のディスプレイに使用される光学機能性フィルムや高分子有機 EL の開発や分析について実際に用いられる機材を見学させていただきました。また、次世代自動車に用いられるスーパーエンジニアリングプラスチックの製造工程をご紹介いただき、実際に機材を稼働している様子を見学させていただきました。事前にお伝えしていた質問に答えていただいた他、研究員の方々との個別座談会の時間も設けていただき、研究職の実際について詳しく伺うことができました。
最後は本校卒業生であり本研究所で長きにわたりご活躍であった中村宏様にお越しいただき。長年、科学技術開発の現場での体験談についてお話しいただいた他、進路実現にむけた励ましの言葉をいただきました。普段は決して見ることのできない先進的な研究の現場から多く学びと刺激を得ることができました。大変お忙しい中、様々なプログラムをご準備いただき本当にありがとうございました。
②先輩の今を知る-関東圏の大学に進学した卒業生との座談会-
第 1 日、夜のプログラムは卒業生との座談会です。関東圏に進学した 11 名の卒業生たちが集まってくださいました。進学したばかりの先輩や就職を控えた方、大学院へ進学されている方など卒業後、様々な大学・学部での学生生活について本校での高校生活を振り返りながら語っていただきました。
班別の座談会はたくさんの質問が投げかけられたり、逆に卒業生から質問を受けたりと大変盛り上がりました。今まさに大学生活を送り先輩たちの言葉からは進路実現に向けたたくさんのヒントを得ることができました。文理選択や大学研究について具体的なアドバイスをいただき、今後の高校生活深く考えられる充実した時間になりました。次のステップに向けて意欲的に活動されている先輩方、大変お忙しい中、時間を作っていただきありがとうございました!
③AI技術とビジネスの今を知る-アマゾン ウェブ サービス ジャパン- 卒業生 宇都宮聖子氏
1月18日(木)第2日、午前のプログラムは目黒区にあるアマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWS)での研修。本校卒業生、宇都宮聖子さんが機械学習・量子ソリューションアーキテクトとして活躍されています。はじめに、大学や、国立情報学研究所で行っていた量子コンピュータ等の研究が、どのように現在のビジネスにつながっていったか、最新の資料を交えて講演いただきました。アマゾンで開発されているAI技術を用いたサービスを体験させていただいたり、社内を見学させていただいたりすることで多分野にわたる「アマゾン」のビジネスでAWSが担っているAI技術の開発や顧客への提案、技術支援などについて学ぶことができました。
また、AWSでダイバーシティ戦略の立案・実行のリーダーとして活躍されている藤谷ひとみさんから世界に事業を展開するアマゾンが世界共通に掲げている16の信条を紹介いただきながら、企業として目指し、実現させていく姿についてお話しいただきました。
身近にあるサービスや商品とAI技術との関係性、また働くことの意義についてたくさんの学びを得ることができました。
ご協力いただいた宇都宮さんをはじめAWSの皆様、本当にありがとうございました。
④挑戦を続ける科学の姿 - 卒業生 東京大学横山将志教授,卒業生 栗山一輝氏-
午後からは東京大学本郷キャンパスでの研修。本校卒業生であり東京大学教授(理学)横山将志先生にご講義いただきました。素粒子の研究、スーパーカミオカンデによるニュートリノの実験やそれらによって解明を目指している内容について説明いただきました。このプログラムについては宇和島東高校理普科1年生HR教室ともつないでオンラインでの実施でした。
宇宙の始まりや目に見えない世界や宇宙の始まりなど、科学の世界の奥深さと規模の大きさに圧倒されました。まだまだ解明されていないことの多い研究分野であり、宇宙の謎に迫る内容に現地にいる生徒からもオンラインで参加している生徒からも様々な質問がありました。横山先生から見方・考え方について丁寧にわかりやすくご回答いただき素粒子の分野について理解を深めることができました。
また、本校卒業生で現在、東京大学博士課程に在籍し、スポーツバイオメカニクスの研究を行っておられる栗山一輝さんにもお越しいただき、座談会を開いていただきました。栗山さんは本校在学中、陸上競技部に所属し都大路駅伝にも2回出場されています。高校での活動が研究者としての今につながっている先輩の話から生徒はたくさんの刺激を受けていました。事前質問では活発な部活動での取組と受験勉強とをどのように両立させていたのかなど、今の高校生活の課題・改善に関するものが多く寄せられました。目標設定や自己管理など、普段不安に思っている点について様々な助言を得ることができました。
大変お忙しい中、このような機会を与えていただき本当にありがとうございました。
令和4年度 関東STREAM研修 実施要項
1 実施の目的
(1) スーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の一環として、研修前の学習や班活動を通して、自主的に取り組む姿勢を養うとともに、先進的な科学技術研究を行う大学や施設等を訪問し、講義や体験活動を通じて科学技術への関心を高め、知的好奇心と探究心をもって主体的かつ意欲的に学ぶ態度を養う。
(2) 科学技術研究が果たす役割、現在の研究、そして、研究が社会で実用化されている様子を理解するとともに、研究者・技術者に求められる資質や使命感についても考えを深めながら、自らの進路実現に役立てる。
(3) 研修を通して高校生としての自覚と規律ある言動を促し、生徒相互及び生徒・教職員間の信頼関係や人間関係を深める。
2 対象生徒
第1学年理数科・普通科より選抜 生徒38名(男子16名、女子22名)
3 期日
令和5年1月19日(木)~1月21日(土)
4 訪問先
住友化学先端材料開発研究所、日本科学未来館、東京大学本郷キャンパス、アマゾンウェブサービスジャパン
5 研修内容
第1日午後(研修風景写真はコチラ)
住友化学 先端材料開発研究所での研修
宿泊施設での研修(卒業生との意見交換会) 本校卒業生メンター10名程度参加
第2日午前(研修風景写真はコチラ)
アマゾンウェブサービスジャパンにてAIに関する講演(9:00~12:00)
講師 宇都宮 聖子 主任 (本校卒業生)
第2日午後(研修風景写真はコチラ)
東京大学本郷キャンパスにて本校卒業生による特別講義
講師 横山 将志 教授
(東京大学大学院 理学系研究科 物理学専攻)
本校卒業生メンター(東京大学在学生等)との交流 本校卒業生4名程度参加
宿泊施設での研修(卒業生との意見交換会)
第3日午前(研修風景写真はコチラ)
日本科学未来館にて本校卒業生による特別講義(9:00~11:00)
講師 土居 守 教授(東京大学大学院 理学系研究科 天文学専攻、本校卒業生)
日本科学未来館にて体験プログラム(11:00~13:00)
【令和3年度の取組】
1 仮説
今後、SSH事業で経験した、関東圏で活躍する卒業生が増えることから、より様々な分野に関する最先端の講義や体験活動ができることになる。また、高校時代にSSH事業で特に学んでほしいこと等について経験談を話してもらうことも有益である。これまで以上に、科学技術で活躍したいと願う生徒が増えることを期待する。
2 研究内容・方法・検証
本年度、関東STREAM研修は、現地訪問する実施形態(令和4年1月20日(木)~1月22日(土)実施予定)と、オンラインによる実施形態(令和4年1月21日(金)、1月22日(土))のいずれかによって、実施するよう計画・準備を進めてきた。1月11日(火)から本校は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により臨時休業となることを受け、オンラインによる実施形態を採ることになった。その実施内容について、以下に記す。
(1)令和3年度 関東STREAM研修
日時・会場 令和4年1月21日(金)、1月22日(土) 本校物理実験室(または自宅)
対象生徒等 第1学年理数科・普通科生徒(希望者)21名、教員2名(数学、物理)
事前学習等 原子核、量子力学、素粒子等に関する現代物理学入門(3時間、講義、12月中旬~下旬)
研修内容等
講義①AIに関する講義(1月21日(金)9:00~12:00)
講師 本校卒業生 Amazon Web Services Japan
Machine Learning Solutions Architect 宇都宮聖子 氏
講義②天文学に関する講義(1月21日(金)16:00~18:00)
講師 本校卒業生 東京大学大学院理学系研究科天文学専攻
天文学教育研究センター センター長 教授 土居 守 氏
講義③素粒子に関する講義(1月22日(土)10:00~12:00)
講師 本校卒業生 東京大学大学院 理学系研究科 物理学専攻
教授 横山 将志 氏
事後指導等 各講義につきA4版1枚の分量で所感文を作成する。
(2)成果と課題
参加生徒のアンケート調査の分析結果をまとめた。
どの講義も高評価であった。物理基礎の履修前の生徒に対して、天文学や現代物理学に関する理解を促すために、事前学習の内容を精選して学習していたことがよかった。それよりも、講義の内容が理解できないまま先へ進むのだけは回避させようと、講師からも或いは生徒からも適時呼びかける形で、講義の途中に質問する機会を頻繁に設けた。理解できずに置き去りにされないよう、生徒は必死でそれを終始実践した。生徒はよく頑張って内容理解に努めたと率直に思う。事後指導の所感文は、個性豊かな内容で、そのまま講師の方々に御礼の意味を込めて送付した。
関東STREAM研修のねらいである、「講義や体験活動を通じて科学技術への関心を高め、知的好奇心と探究心をもって主体的かつ意欲的に学ぶ態度を養うこと」「研究者・技術者に求められる資質や使命感について考えを深めながら、自らの進路実現に役立てること」に、参加生徒はポジティブな影響を非常にたくさん受けたと言える。オンライン実施を初めて実行したが、一定以上の成果がある。やはり、現地訪問による研修効果のほうが大きいのは当然であるから、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けにくい実施時期(人流が多くなる時期を避ける等)を模索する必要がある。
◆令和元(2019)年度
SSH関東STREAM研修1日目 令和2年1月10日(金) ←クリックしてください。
SSH関東STREAM研修2日目 令和2年1月11日(土) ←クリックしてください。
SSH関東STREAM研修3日目 令和2年1月12日(日) ←クリックしてください。
◆平成30(2018)年度
SSH関東科学体験研修1日目 平成31年1月11日(金) ←クリックしてください。
SSH関東科学体験研修2日目 平成31年1月12日(土) ←クリックしてください。
SSH関東科学体験研修3日目 平成31年1月13日(日) ←クリックしてください。
◆2018年1月21日(日曜日) SSH関東科学体験研修/ 本校卒業生の東京大学OB、OGから学ぶ
東京大学において本校OBの横山将志准教授に、素粒子物理についての講義をしていただきました。微小粒子の中の世界が解明されれば、我々の宇宙や生命が誕生したことがどれだけ奇跡的な現象であるかが分かるということを説明していただきました。「自分たちの研究は世界では誰もやってない。だから、新しい発見があれば、世界で自分だけしか知らない。それがたまらなく楽しい。」と話されました。
講義の後、東京大学を卒業された本校OB・OGの小野弾さん、小野すみれさん、堀田さん、横山准教授を交えて交流会を行いました。最初は事前にしていた質問に答えていただき、高校生活や大学生活の話などについてアドバイスしていただきました。昼食時にも全員で食事をしながら交流させていただきましたが、生徒たちは皆、積極的に質問し、時間が経つのを忘れてしまうほどでした。3日間、卒業生の先輩方と触れ合う機会に恵まれ、生徒たちも「次は自分たちが後輩たちにアドバイスできる立場を目指そう。」という意識が芽生えたと思います。今回の研修に協力していただいた皆様、ありがとうございました。
◆2018年1月20日(土曜日) SSH関東科学体験研修/ AIや自動運転等の最先端研究をしている卒業生の講義
本校の卒業生で現在自動車会社でAIや自動運転について最先端の研究をされている宇都宮聖子さんに講演していただきました。AIや自動運転の話は非常に興味深く、その将来はもう近くまで来ているのだと認識させられました。宇都宮さんは、「理系の、特に工学系の女子が少ないので、一緒に日本の技術を支えていきましょう。」と言っていただきました。
◆2018年1月19日(金曜日) SSH関東科学体験研修/平成27年度卒業生との交流
SSH事業を3年間経験した平成27年度卒業生で、東京方面の大学へ進学した4人(栗山君、芝田さん、近藤君、上甲君)にホテルまで来ていただき、卒業生との交流会を行いました。大学での研究に関することや高校時代の勉強方法などについて多くの質問が出され、SSH事業を経験した先輩方が一つ一つ丁寧に答えてくれました。進路選択に悩む我々一年生にとって貴重な体験となりました。先輩方、お忙しい中、ありがとうございました。
◆2018年1月4日(木曜日) SSH海外研修 課題研究発表練習/平成28年度卒業生からのアドバイス
SSH海外研修(1/16~1/19)で行う課題研究のポスター発表の練習に、平成28年度卒業生の犬飼哲仁さんと得能寛太さんに来校していただき、アドバイスをいただきました。実際に英語による発表を聞いてもらい、即座に英語で質問してもらうなど、本番さながらの練習を経験できました。また、発表のしかたやポスターの改善点なども指摘してもらいました。卒業生のお二人ありがとうございました。
◆得能先輩、犬飼先輩から後輩の皆さんに向けて、メッセージをいただきました。メッセージはこちらです。(PDF)
◆2017年3月5日(日曜日) SSH関東科学体験研修/東京大学で本校卒業生からの講義
東京大学で本校OBである横山将志准教授による講義を受講しました。続いて、同じく本校OG、OBである小野すみれさん、小野弾さん、坂本裕さんとの交流会を行いました。事前に提出していた質問に対する回答やその場での質疑応答を通して、多くのことを教えてもらいました。2年後OG, OBの立場となって、後輩と交流してくれる生徒が出てくれることを期待しています。
◆2017年3月4日(土曜日) SSH関東科学体験研修で卒業生からのアドバイス
昨年度本校を卒業生し、東京方面の大学へ進学した4人(近藤君、芝田さん、宮本君、栗山君)との交流会を行いました。大学に関することや高校時代の勉強方法などについて多くの質問が出され、SSH事業を経験した関東圏で活躍する卒業生が一つ一つ丁寧に答えてくれました。将来についてまだまだ不安だらけの生徒たちにとって、大変有意義な時間となりました。4人の先輩たち本当にありがとうございました。
◆2016年3月7日(月曜日) SSH関東科学体験研修/素粒子物理学について特別講義
例年この研修で素粒子物理学について特別講義をしていただいている東京大学准教授の横山将志先生は本校OBでもあり、日本を代表する素粒子物理学の研究グループの一員でもあります。
昨秋のノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章氏とも同じ研究グループに所属されているそうです。その横山先生から、本校生徒のためにニュートリノに関する研究やスーパーカミオカンデでの実験について特別講義を受けることができました。生徒たちは、最初は緊張した面持ちでしたが、徐々に講義に吸い込まれていき、質疑のときには積極的かつ優れた質問が飛び交いました。
横山先生を含めた5名の先輩方に、事前に取りまとめた質問事項に回答していただく形式で交流会を行いました。とても熱心な先輩たちで、高校時代の勉強法から東京大学での生活、進路の相談やものの考え方まで、多岐にわたるお話は生徒たちにとって大変良い刺激になりました。そして、OBOG全員が口を揃えて「英語だけは絶対やっておくように」とアドバイスをしていたことが印象的です。そのうちの一人は今春からアメリカのシンシナティに赴任するそうで、まさに「宇東から世界へ」を目の当たりにしました。