高校のレベルを超えた体験研修の拡充による幅広い視野の育成
【四国型次世代科学技術チャレンジプログラム」(SHIN-GS)】 (R5から新事業名に変更)
※本事業は、「愛媛大学グローバルサイエンスキャンパス(eGS)」の後継事業です。
JST「次世代科学技術チャレンジプログラム「高校型」採択機関
本校は愛媛大学から100㎞以上離れた地域にあるが、平成30年度から愛媛大学との高大接続として、愛媛大学GSC(グローバルサイエンスキャンパス)に、本校生徒は積極的に挑戦している。
令和5年度からは、事業名を「四国型次世代科学技術チャレンジプログラム」(SHIN-GS)として実施している。
SHIN-GSでの個人研究を行った生徒が、SSHで行うグループ研究のリーダーとなり、研究の質を向上させる相乗的効果を目指している。
令和6年度「四国型次世代科学技術チャレンジプログラム」(SHIN-GS)への取組
【愛媛大学SHIN-GSで10名が愛媛大学の単位を取得】
令和6年度、本校の12名が四国型次世代科学技術チャレンジプログラム」(SHIN-GS)(基盤学習)の科目等履修生として受講し、このうち、10名が単位を取得した。この単位は、愛媛大学に入学後、卒業要件単位として認定される。さらに、この中から選抜された生徒は、展開学習・発展学習に進み、大学の先生の指導を受けながら研究を行っている。
◆「SHIN-GS2023課題研究生海外渡航を伴う研究活動派遣」
アメリカ合衆国インディアナ大学派遣 島津 凛「野村町の地層と地盤」
愛媛大学教育学部 井上昌善先生の御指導
◆久能大河「環境DNAを用いた僧都川のアユの遡上調査」
愛媛大学南予水産研究センター准教授 清水 園子先生、竹内 久登先生の御指導
◆清水 遥「加齢に伴った カフェインの血中濃度の変化」
愛媛大学大学院医学系研究科教授(薬理学)茂木正樹先生の御指導
◆「SHIN-GS2023課題研究生海外渡航を伴う研究活動派遣」
アメリカ合衆国インディアナ大学 英語プレゼンテーション
本校の島津凛さんは、SHIN-GS2023課題研究生の中から選抜され、インディアナ大学に派遣されました。その報告になります。
R6 8月7日
午前:インディアナ大学システムの構成・各プログラム内容の案内・IUおよび日本の教育研究機関との連携による当地での「日本型教育の海外展開」の現状
午後:アメリカのビジネススクールについてIUにおける同スクールの構成・Entrepreneurship教育の現状とIUにおける同プログラムの特徴
初めの講義では北山先生が行われているプログラムについて知りました。また、日本で行われているSTEAM教育とアメリカで行われているSTEM教育についての違いと共通点も知りました。北山先生がつくられたプログラムを始める際に、どういった分野、内容なら興味を持ってもらえるかを気にしたというお話が出て、私が今作成している防災意識についてのワークショップにも通ずる部分があると思いました。
また、午後の講義ではインディアナ大学についてを学びました。そして、高校生の視点からビジネスのきっかけを見つける際、日本とのカルチャーショックが意見が多く出ていました。個人的には、その日本との違いが面白くて若干の不便さも楽しんでいました。また、そのカルチャーショックをビジネスのきっかけにすることもできるのだと気付きました。
・R6 8月8日
午前:同スクールの構成・米国における教育・特徴的な科学教育としてのSTEM教育
午後:同プログラム参加生徒による研究成果発表と質疑応答
2日目には自分が行っている課題研究のプレゼンがありました。私はトップバッターでとても緊張していましたが、事前に日本で音読練習をしていたのがこ功を成したのか、詰まることは少なかったと思います。ただ、緊張と間違える恐怖から台本から顔を上げてプレゼンができなかったことが反省点です。今後、また発表させていただく機会があると思うので次回、今回の反省点をふまえての発表をしたいです。発表用のスライドがほかの人のものは実験写真があったり背景に絵を加えたりしている中で、私のスライドは色統一で写真がほとんどないものでした。まだワークショップが行えていないこともありますが、活動写真が極端に少なかったと思います。わかりやすさや想像しやすさも大切な部分だと思うので、スライドの技術を上げたいとおもいます。また、先生のラボにお邪魔させていただき、自分の名前が入ったネームプレートを作っていただきました。好きな絵を入れることができたので、1番好きな花を選んで入れました。レーザーでどんどんと刻まれて行く様がとても面白かったです。入れた絵が細かい線が多かったので潰れるかと思いましたが、案外綺麗に印刷されて嬉しかったです。
・R6 8月9日
午前:同スクールの構成・海外で学ぶことの意義
午後:世界最大のショウジョウバエストックセンターの構成、運営・同センターで維持する系統の特徴と研究上での成果
ショウジョウバエのストックセンターではセンターがどういった仕組みで動いているのか、どのぐらいの数のショウジョウバエがいるのかなどのお話を聞きました。センターではパートのような形で働いている方々が居り、ショウジョウバエの梱包や事務などを担っていることを知りました。そして、事務等をパートの方々が行うことで研究をされている方たちは事務などの業務にリソースを割かなくてよくなります。この仕組みで大量のショウジョウバエの管理ができているそうです。このシステムは日本では行われていないそうで、どちらのほうが良いのかメリット、デメリットを考えるきっかけになりました。
今回の海外渡航を通しての成果と将来に生かしたいこと
海外渡航を通して自分の中の価値観や視野の変化、研究発表の経験が自分にとっての大きな成果だと考えます。日本とアメリカの違いを肌で感じ、なにかと自分が気負いすぎていたように感じました。今後、すぐに自分の中の意識を変えることは難しいとは思いますが、ここで気づいたことを忘れずに自分の中でとどめておきたいです。また、研究発表の経験が少ない私にとって、アメリカで英語を使ってプレゼンするのはとてもハードルが高かったのですが、この経験ができたからこそ気付いたことが多くあったので今後の研究発表に生かしていこうと思います。そして、高校生のうちにアメリカに行くという経験は自分にとってとても大きな糧となります。この経験をもとに高校を卒業してからも大学で国際的な活動にかかわっていきたいです。この経験をただの思い出にせずに、自分のエネルギーにしていきたいです。
◆「アジア生物学教育協議第29回会隔年会議(AAABE2024)」における英語プレゼンテーション
久能大河「環境DNAを用いた僧都川のアユの遡上調査」
令和5年度「四国型次世代科学技術チャレンジプログラム」(SHIN-GS)への取組(※旧愛媛大学GSC)
加齢に伴ったカフェインの血中濃度の変化 清水遥さんの研究
若年マウス、加齢マウスにそれぞれ同容量のカフェインを投与
→加齢による血中濃度の変化により薬の思わぬ副作用が起こることの検討
①カフェインの最高血中濃度と、達するまでの時間
②最高血中濃度から元の数値に戻るまでの時間
【愛媛大学の支援で自宅が実験室に】
発展学習を行っている児玉君は植物の吸収メカニズムについてハイフレックス型実習で継続研究している。大学の実験室で使われる実験機器・器具等を愛媛大学から送付していただき、自宅(台所)を実験室として研究が行われている。本校のように大学から遠隔地にある高校において、意欲のある生徒が自宅でも研究に取り組める環境づくりに対して感謝しています。
《自宅の台所に完成した実験室の様子 ハイフレックス型実習》
【愛媛大学GSCで12名が愛媛大学の単位を取得】
令和4年度からは、オンラインでの受講が実施されるようになり、本校の12名が愛媛大学グローバルサイエンスキャンパスセミナー(基盤学習)の科目等履修生として受講し、単位を取得した。この単位は、愛媛大学に入学後、卒業要件単位として認定される。6名が選抜され、展開学習・発展学習に進み、研究を行っている。
【基盤学習の様子 「紙から新しいイノベーション」】
《自宅での受講の様子》
【愛媛大学研究室体験】
◆令和6年度 愛媛大学研究室体験研修実施要項
1 仮説
研究室体験を「工学系・理学系」と「農学系・医学系」の2コースとし、各生徒は自分の興味・関心に関わらず、両方のコースからそれぞれ1日ずつ研修する。最終日には、それのどちらかについてプレゼンテーションすることとする。高校のレベルを超えた体験により高大接続について考える機会とするだけでなく、幅広い視野、多角的に物事を考える意識を育成することができる。
2 目的
愛媛大学との連携を密にし、大学の施設を使用して、大学教員からの指導のもとで問題解決型体験学習に取り組ませ、科学的探究能力やプレゼンテーション能力の向上を図る。高校のレベルを超えた体験により高大接続について考える機会とするだけでなく、幅広い視野、多角的に物事を考える意識を育成する。
3 実施日
令和6年8月20日(火)~8月23日(木)
4 参加者
参加生徒 40名:理数科2年生40名
8月20 日~23日に愛媛大学体験研修が行われました。8月20日(火)21日(水)は愛媛大学の研究室を訪問し、高校レベルを超えた大学で行う実験・実習を体験することができました。22日(木)は、学校で2日間の研修の成果をプレゼンにまとめ、研修の発表会を行いました。この発表は校内の先生方だけでなく、オンラインで愛媛大学で講師として指導いただいた先生方、ティ―チングアシスタントの方々にも聞いていただきました。その体験内容はとても高度な内容もありましたが、とても分かりやすくプレゼンテーションソフトにまとめ、自分の言葉で発表することができました。生徒たちは大学での学びや研究を体験することができ、今後の進路実現や課題研究にその体験を生かせそうです。
理学部での研修
工学部での研修
農学部での研修
発表会準備 発表会 集合写真
◆令和5年度 愛媛大学研究室体験研修実施要項
1 仮説
研究室体験を「工学系・理学系」と「農学系・医学系」の2コースとし、各生徒は自分の興味・関心に関わらず、両方のコースからそれぞれ1日ずつ研修する。最終日には、それのどちらかについてプレゼンテーションすることとする。高校のレベルを超えた体験により高大接続について考える機会とするだけでなく、幅広い視野、多角的に物事を考える意識を育成することができる。
2 目的
愛媛大学との連携を密にし、大学の施設を使用して、大学教員からの指導のもとで問題解決型体験学習に取り組ませ、科学的探究能力やプレゼンテーション能力の向上を図る。高校のレベルを超えた体験により高大接続について考える機会とするだけでなく、幅広い視野、多角的に物事を考える意識を育成する。
3 実施日
令和5年8月22日(火)~8月24日(木)
4 参加者
参加生徒 40名:理数科2年生40名
8月22日(火)~24日(木)に2年生理数科生徒を対象に愛媛大学研究室体験研修を実施しました。
8月22日(火)、23日(水)愛媛大学工学部・理学部・農学部にて研究室体験
8月24日(木)宇和島東高校化学実験室にてオンライン発表会
愛媛大学の先生・TAの皆さん指導のもと大学施設で2日間高度な実習を経験させていただきました。目に映るもの、手に触れるものすべてがハイレベルで科学的探究心を刺激されました。
愛媛大学研究室体験研修 1日目
愛媛大学研究室体験研修 2日目
愛媛大学研究室体験研修 3日目
最終日となる3日目にはプレゼンテーション能力向上を目指して、学んだことをパワーポイントにまとめ、発表しました。活発な質疑応答も行われ、充実した3日間を締めくくりました。この経験を自身の進路実現に活かすだけでなく、地域貢献・社会貢献できる大人になるきっかけとしてほしいです。
◆令和4年度 愛媛大学研究室体験研修実施要項
1 仮説
研究室体験を「工学系・理学系」と「農学系・医学系」の2コースとし、各生徒は自分の興味・関心に関わらず、両方のコースからそれぞれ1日ずつ研修する。最終日には、それのどちらかについてプレゼンテーションすることとする。高校のレベルを超えた体験により高大接続について考える機会とするだけでなく、幅広い視野、多角的に物事を考える意識を育成することができる。
2 目的
愛媛大学との連携を密にし、大学の施設を使用して、大学教員からの指導のもとで問題解決型体験学習に取り組ませ、科学的探究能力やプレゼンテーション能力の向上を図る。高校のレベルを超えた体験により高大接続について考える機会とするだけでなく、幅広い視野、多角的に物事を考える意識を育成する。
3 実施日及び会場
令和4年8月23日(火)~8月24日(水) 愛媛大学工学部・農学部
令和4年8月25日(木)【Zoom会議】 宇和島東高等学校生物実験室ほか
(講師及びTA:愛媛大学各学部ほか)
4 参加者
参加生徒 40名:理数科2年生40名
5 会場
(1) 愛媛大学工学部(城北キャンパス) 「工学系・理学系」の実験実習 松山市文京町3番
(2) 愛媛大学農学部(樽味キャンパス) 「農学系」の実験実習 松山市樽味3丁目5番7号
8月23日(火)(往路借り上げバス)
7:30 宇和島東高等学校発
9:15 愛媛大学農学部(樽味キャンパス)着
9:30 愛媛大学工学部(城北キャンパス)着
10:00 研修 開始(実験・講義)
16:00 研修終了
19:00 研修のまとめ(25日の発表に向けて)
8月24日(水)(復路借り上げバス)
8:00 ※市内電車で移動 8:00 ※路線バスで移動
9:00 研修開始(実験・講義)
16:00 研修終了
16:10 借り上げバス出発 16:25 借り上げバス出発
18:10 宇和島東高校着
8月25日(木)
時刻 【Zoom会議】宇和島東高等学校物理実験室ほか(講師及びTA:愛媛大学各学部ほか)
8:30 【発表会の準備】開始・班に分かれてプレゼンの準備を行う。
11:30 【発表会の準備】終了・班のスライドデータをプレゼンテーション用PCに移してから昼食。
12:30 【発表会】開始 ※Zoom接続開始(12:00~)講師及びTA参加
・大学教員に向けてプレゼンテーションを行い、質疑に対して応答する。
15:00 【発表会】終了~閉講式(講評)
【愛媛大学研究室体験】
◆令和3年度の取組
1 仮説
研究室体験を「工学系・理学系」と「農学系・医学系」の2コースとし、各生徒は自分の興味・関心に関わらず、両方のコースからそれぞれ1日ずつ研修する。最終日には、それのどちらかについてプレゼンテーションすることとする。高校のレベルを超えた体験により高大接続について考える機会とするだけでなく、幅広い視野、多角的に物事を考える意識を育成することができる。
2 研究内容・方法・検証
令和3年度は、令和3年8月16日(月)から8月18日(水)までの期間に愛媛大学研究室体験研修を実施するよう、計画・準備を進めていたが、8月13日(金)に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、延期を決定した。その後、愛媛大学工学部及び農学部と日程調整等の協議を続け、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況に左右される場合もあり得るという前提のもとで、令和4年3月14日(月)、3月15日(火)に実施する。
(1)令和3年度 愛媛大学研究室体験研修 実施要項
実施日及び会場 令和4年3月14日(月)、3月15日(火)【各日日帰り】 愛媛大学工学部・農学部
日程・実験実習
愛媛大学研究室体験研修の実験実習テーマ等
対象生徒等 参加生徒40名(第2学年理数科生徒40名)、教員3名(数学、物理、生物)
(2)課題
本校SSH事業における愛媛大学研究室体験研修の実施に向けた方針は、オンライン実施ではなく、大学訪問及び現地実習に価値があると考えている。よって、実際、推測しづらいところであるが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けにくい実施時期(人流が多くなる時期を避ける等)を模索する必要がある。