高等学校ICT活用授業改善推進・STEAM教育・教科等横断型授業について
1 STEAM教育の実践と目的
Society5.0 の実現のためには、「多面的に学び、考える力を育成」することが重要です。そのために、本校では、STEAM教育を推進しています。STEAMとは、Science, Technology, Engineering, Art, Mathematicsの分野が複雑に関係する現代社会の課題を、各教科・領域固有の知識や考え方を統合的に働かせて解決する学習のことです。これらを円滑にするために必要なものが、「A」すなわち「Art」(デザイン、感性等)現在、「A」は「Liberal Arts」(芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理等)とされています。
宇和島東高校は、平成28年度から3年間の「アクティブ・ラーニング推進事業」の拠点校指定に続き、令和元年度から2年間の「高等学校授業改善推進事業」の推進校指定を愛媛県教育委員会から受け、授業改善の実践研究を行い、本校を中心に、新しい時代に求められる生徒の学力を向上させるとともに、その力を評価する新テストに対応した指導法の研究を行ってきました。
令和3年度からの3年間は、愛媛県教育委員会から新たに、高等学校ICT活用授業改善推進校の指定を受け、大学入学共通テスト等への対応やICTを活用した授業改善を行い、愛媛県の未来を拓く人材を育成することに取り組んでいます。
このように、本校は愛媛県における授業改善推進校に令和5年度で8年連続で指定を受け、地域のリーディング校として、SSHでの取組の成果を普段の授業に生かした取組を実践し、公開授業、指導案の公開等で他校への普及を図っています。
また、本校では、各教科での学習を実社会での問題発見・解決にいかしていくための教科等横断的な教育を推進しています。本校において、令和2年度以降、ターゲットティーチャーを中心に教科等横断型授業に取り組んでいます。異なる教科の複数の教員が行う授業は、生徒にとって、新鮮で興味・関心が高く、「多面的に学び、考える力」を身に付ける機会となっています。
令和4年度からは、教科等横断型授業に全校体制で取り組み、1人1回以上実践し、指導案等を公開してます。内容についても、「実社会での課題」と「生徒に身に付けさせたい資質・能力」を明確にした指導案を作成し、教科等横断型授業に取り組んでいます。
◆教科等横断型授業の取組は、こちらをご覧ください。
◆STEAM教育の取組は、こちらをご覧ください。
令和5年度高等学校ICT活用授業改善推進事業の取組
1 育てたい生徒像
新しい時代を切り拓く人間力の育成 ~“Stream(時代)”を創る対話と学び~
2 育てたい生徒像を実現するための3年間の目標
〇1年目の目標:
(初年度) 新学習指導要領において、育てたい生徒像を実現するための教育課程の運用の在り方を検討する。特に教科横断的な学習活動を効果的に行うためにカリキュラム・マネジメント及びICT活用の研究を行う。また、「大学入学共通テスト」に対応するため、思考力・判断力・表現力を評価する考査問題の研究に取り組む。さらに、分校と連携した教育活動について研究する。
〇2年目の目標:
(昨年度) 教育課程の実効性を高めるため、評価の在り方について研究する。特に、主体的・対話的で深い学びの視点から、ルーブリックの活用など、多面的評価を可能とする評価手法及び、ICT活用の研究を行う。さらに、分校と連携した教育活動の充実を図る。
〇3年目の目標:
(今年度) 1年目、2年目の研究活動を総括し、新教育課程及びICT活用、分校と連携した教育活動の課題・改善事項等の洗い出し・再整理を行い、PDCAサイクルの構築に向けた研究を行う。さらにICEモデルを基軸とした全校的な探究型授業、教科等横断型授業の研究を推進する。
◆ICTを活用した「主体的・対話的で深い学び」を充実させる上での課題
① デジタル課を中心とした、1人1台端末の活用法の研究とその成果を共有・検証するためのシステムの構築
② EILSの実践的な活用方法の研究とその普及
③ ICT機器を用いたオンライン授業の実践方法の共有
◆生徒の学力を多面的に評価する上での課題
① アクティブ・ラーニング型授業の成果を適切に評価するためのルーブリックの研究
② 身に付いた学力が適切に評価できる思考力・判断力・表現力を評価する考査問題の作成
③ 学びの活動報告(ポートフォリオ評価)の活用による自己調整能力の育成
◆大学入試改革等に対応した指導や問題作成に関する課題
① 思考力・判断力・表現力を評価するための評価問題の検討を軸としたカリ
キュラム・マネジメントの研究
② 教科間に相互依存性、新たな視点を生み出すためのシステムの構築
〇推進校として取り組みたい内容
① ICEモデルを基軸とした全校的な探究型授業の研究・実践
② 教科等横断型授業の研究・普及
③ 思考力・判断力・表現力を評価する考査問題の研究・推進
④ 観点別評価の研究・改善
⑤ ICT機器の活用による新たな学びの研究
⑥ ICT機器の活用によるオンライン授業の研究・普及
⑦ 教員の働き方改革を促進するためのICT機器の活用方法の研究・普及
⑧ 個別最適な学びを保障するための自己調整学習の研究・実践
令和5年度高等学校ICT活用授業改善推進事業の取組
◆教科等横断型授業 「数学」×「芸術」
〇主題(教材) 図で表現することの効果と留意点
〇SDGsでの課題
SDGsの番号(4番)「質の高い教育をみんなに」
〇実社会での課題
数学の授業において、「問題をまず図で表現すること」という指導を継続的に行っている。その考え方を、数学に留めるのではなく、実生活において有用である方法として生徒に認識させる。
〇生徒に身に付けさせたい資質・能力
・図示することは、数学の問題を解くときにだけに留まらず、実生活において有用であることを実感させる。
・様々なツールを用いて探究することを通して、課題を自由な発想・様々な視点で考察することの大切さを実感させる。
〇授業者
数学科教員+芸術科教員
〇指導案 指導案PDFファイル
◆教科等横断型授業 「国語」×「外国語」
〇主題(教材) 和歌の英訳を通して言葉に対する感覚を磨く
〇SDGsでの課題
SDGsの番号(4番)「質の高い教育をみんなに」
〇実社会での課題
グローバル化が進んだ現代社会においては、今後外国の人々と交流したり協働したりする機会は確実に増加していく。その国際社会を生き抜いていくためには、自国の伝統的な言語文化に対する理解を深め、そして異なる文化を持った人々に対して自分たちの文化について表現する力を養っていく必要がある。また、日本語と英語の両方の言語から主題を捉えることで、言葉に対する感覚を磨くことを目標とする。
〇生徒に身に付けさせたい資質・能力
1 和歌の英訳を通して、繊細な感受性を磨くとともに、言語に対する鋭敏な感覚を養わせる。
2 自国の伝統的な言語文化に対する理解を深めさせる。
〇授業者 国語科教員+英語科教員
〇指導案 指導案PDFファイル
ICT活用高等学校授業改善推進事業第2回公開授業(令和5年10月16日)
◆数学科(数学A)
〇主題(教材) 「仮説検定の考え方」
〇目標
・確率の学習内容を活用して「仮説検定の考え方」を理解し、仮説の妥当性について判断させる。
・仮説検定の特徴を踏まえて、仮説検定の活用場面について考察させる。
〇ICEモデルを基軸としたルーブリック ➡ ダウンロード
〇指導案 ➡ ダウンロード
◆国語科(現代文B)
〇主題(教材) 「現代社会をありのままに見つめ、捉え直すことを通して自らの世界の見方を考える」
〇目標
・現代社会について、データをもとに考察し、自分の考えを深めたり発展させたりすることを通して、多様な個性を持ったものとして世界を見つめる姿勢を育む。
〇ICEモデルを基軸としたルーブリック ➡ ダウンロード
〇指導案 ➡ ダウンロード
◆芸術科(音楽Ⅰ)
〇主題(教材) 「ヴァイオリン演奏にチャレンジ」
〇目標
・より良いヴァイオリンの基本的な奏法を身に付け、美しい音色や響きを引き出そう。
〇ICEモデルを基軸としたルーブリック ➡ ダウンロード
〇指導案 ➡ ダウンロード
◆商業科(情報処理)
〇主題(教材) 「統計の基礎」
〇目標
・データを代表値で表すことができるようにさせる。
・データを代表値で表し、データの傾向を説明できるようにさせる。
〇ICEモデルを基軸としたルーブリック ➡ ダウンロード
〇指導案 ➡ ダウンロード
令和4年度高等学校ICT活用授業改善推進事業の取組
◆ICTを活用した「主体的・対話的で深い学び」を充実させる上での課題
①デジタル課を中心とした、1人1台端末の活用法の研究とその成果を共有・検証するためのシステムの構築
②ICT機器を単に集計・配信のための機器として活用するだけでなく、学びに「深み」を生み出すための実践の研究
◆生徒の学力を多面的に評価する上での課題
①アクティブ・ラーニング型授業の成果を適切に評価するためのルーブリックの研究
②身に付いた学力が適切に評価できる思考力・判断力・表現力を評価する考査問題の作成
③学びの活動報告(ポートフォリオ評価)の活用による自己改善能力の育成
◆大学入試改革等に対応した指導や問題作成に関する課題
①思考力・判断力・表現力を評価するための評価問題の検討を軸としたカリキュラム・マネジメントの研究
②評価問題を教科を超えて共有することにより、教科間に相互依存性、新たな視点を生み出すためのシステムの構築
③教科等横断的な授業のより積極的な導入
取り組む内容
①アクティブ・ラーニングと連動したPDCAサイクル確立の研究
②「深い学び」に結びつけるための研究
③教科等横断型授業の推進に向けた研究
④思考力・判断力・表現力を評価する考査問題の研究
⑤効果的な観点別評価の研究
⑥ICT機器(電子黒板、タブレット等)の活用による新たな学びの研究
⑦ICT機器の活用による臨時休業中の効果的な学習支援の研究
⑧1人1台端末の効果的な活用法の研究
1 育てたい生徒像
自らを信じ 自らを鍛え 夢の実現を~“Depth(深み)”を生む対話と学び~
2 育てたい生徒像を実現するための3年間の目標
〇1年目の目標:
新学習指導要領において、育てたい生徒像を実現するための教育課程の運用の在り方を検討する。特に教科等横断的な学習活動を効果的に行うためにカリキュラム・マネジメント及びICT活用の研究を行う。また、「大学入学共通テスト」に対応するため、思考力・判断力・表現力を評価する考査問題の研究に取り組む。さらに、分校と連携した教育活動について研究する。
〇2年目の目標:
教育課程の実効性を高めるため、評価の在り方について研究する。特に、主体的・対話的で深い学びの視点から、ルーブリックの活用など、多面的評価を可能とする評価手法及び、ICT活用の研究を行う。さらに、分校と連携した教育活動の充実を図る。
〇3年目の目標:
1年目、2年目の研究活動を総括し、新教育課程及びICT活用、さらに分校と連携した教育活動の課題・改善事項等の洗い出し・再整理を行い、PDCAサイクルの構築に向けた研究を行う。
3 研究計画
令和4年10月19日(水)第2回ICT活用高等学校授業改善推進事業公開授業(英語科、保健体育科)
10月19日(水)、第2回ICT活用高等学校授業改善推進事業公開授業が本校で行われました。
〇「英語」×「公民」教科等横断型授業
英語科の尾﨑慎太郎教諭と地歴公民科の谷口治義教諭、ALTのミシャル先生による教科等横断型授業でした。
「英語×公民」の教科等横断型授業では、多様性を認め合う共生社会の実現について考え発表する授業が行われました。国際貢献を行ってきた日本人の活動について生徒が英語で紹介し、公民科の先生が説明を加えました。ALTからはカナダで活躍する日本人の方も紹介してもらいました。最後に班で共生社会の実現のために必要なことを話し合い、発表しました。皆さん英語で話すことに慣れているようでした。発表も積極的に行われていて、充実した時間でした。
〇教科等横断型授業専用指導案 PDFファイル
〇教科指導案 PDFファイル
〇単元指導案 PDFファイル
〇ICT活用授業改善推進事業、本校・分校連携推進事業「保健体育」
保健体育科の堀内秀嗣教諭の授業は、津島分校とオンラインでつながり、ICT活用授業改善推進事業、本校・分校連携推進事業として、公開授業を行いました。「体育」の授業では、新聞紙を丸めた“ボール”を用いた個人練習に取り組んだり、試合形式では津島分校の皆さんに本校生徒の動きを分析してもらい、次の試合に生かす取組を行ったりしました。本校生徒と分校生徒の交流を深めることができました。
令和4年6月15日(木)第1回ICT活用高等学校授業改善推進事業公開授業(英語科、保健体育科)
6月15日(水)、第1回ICT活用高等学校授業改善推進事業公開授業が本校で行われました。保健体育科の堀内秀嗣教諭が3年D講座でバレーボールの授業を、英語科の尾﨑慎太郎教諭が1年A講座で英語ディスカッションの授業を行いました。
英語の授業は、本校・分校連携推進モデル校における遠隔授業であり、SDGsのトピックに関してZoomのブレイクアウトルームを14個用意し、それぞれのルームに愛媛大学留学生14名を交えて、活発なディスカッションが行われました。どの教科の授業においても、一人一台端末を用いて、効果的に学習できることは、生徒のみなさんにとって大きなメリットがあると感じました。これからも自分の端末を、効果的に学習に活用していきましょう。本日、来校された先生方、オンラインで参観された先生方、大変ありがとうございました。
英語科(学習指導案(PDF)・単元指導案(PDF))
【本校の様子】
【分校の様子】
【保健体育の授業の様子】
令和4年5月27日(金)「ICTを活用した英語科教員による協働授業」
1年生英語で本校尾崎慎太郎教諭と津島分校廣本真依教諭がZoomで協働授業
1年生の英語コミュニケーションⅠの授業で、津島分校の生徒と連携授業を行いました。
初めての遠隔授業に緊張している様子でしたが、いざ始まると、笑いが絶えない楽しい授業となりました。コミュニケーションのツールである英語を通して、遠隔の人々とつながる大切さを感じた授業でした。6月15日(水)に行われるICT授業改善推進事業公開授業では、本校・分校が連携して、英語を使った協働的な学習を行う予定です。本校も分校もチーム宇和島東の仲間です。これからもICTを活用して、チーム宇和島東として共に学びを深めていきましょう。
◆本校の様子
◆津島分校の様子(正解して喜んでいる津島分校生徒)
令和4年6月2日(木)「ICTを活用した英語科教員による協働授業」
1年生英語で本校尾崎慎太郎教諭と津島分校溜尾隆亮教諭がZoomで協働授業
宇和島東高校本校の1年生が英語コミュニケーションⅠの授業で、津島分校の生徒と、本校・分校連携授業を行いました。今回は愛媛大学留学生にもオンラインで参加していただき、SDGsに関して英語でプレゼンテーションやディスカッションを行いました。ネイティブスピーカーに英語で伝わったという達成感を感じたり、もっと英語を話せるようになりたいというモチベーションにつながったりしたようです。津島分校の生徒は、毎週の探究活動の時間に行っている取組を英語で発表しており、本校の生徒にとって多くの学びがありました。6月15日(水)は、ICT活用授業改善推進事業公開授業が行われ、再び津島分校の生徒や愛媛大学留学生と連携授業を行う予定です。英語を通して自分の考えが伝わったときの喜びや、距離が離れていてもオンラインでつながり笑顔が共有できることの幸せを感じながら、本校・分校が一丸となって協働的な学習に取り組んでいきましょう。
【本校の様子】
【オンラインの様子】
【津島分校の様子】
◆高等学校授業改善推進事業推進校指定による取組(R1~R3)
1 育てたい生徒像
「自らを信じ 自らを鍛え 夢の実現を ~”Depth”(深み)を生む対話と学び~」
2 育てたい生徒像を実現するための3年間の目標
○令和元年度(1年目)の目標:新学習指導要領を研究し、育てたい生徒像を実現するための教育課
程の在り方を検討する。特に教科横断的な学習活動を取り入れるためにカリキュラム・マネジメント
の研究を行う。また、新テストに対応するため、思考力・判断力・表現力を評価するテスト問題の研
究に取り組む。
○令和2年度(2年目)の目標:教育課程の実効性を高めるため、評価の在り方について研究する。
特に、主体的・対話的で深い学びの視点から、ルーブリックの活用など、多面的評価を可能とする評
価手法の研究を行う。
○令和3年度(3年目)の目標:1年目、2年目の研究活動を総括し、次年度からの新教育課程の運
用に向けて、課題・改善事項等の洗い出し・再整理を行い、PDCAサイクルの構築に向けた研究を
行う。
3 令和3年度(3年目)の研究の概要
(1)公開授業(令和3年11月)
①公民科(現代社会) 単元「政府の経済的役割と租税の意義」
②英語科 単元「Unit16 Will You Join Our New Club?」
③商業 単元「本店・支店間の取引」
(2)公開授業(令和3年9月)
①地歴科(地理B) 単元「南アジア」
②商業科(ビジネス情報) 単元「ビジネス計算」
◆高等学校授業改善推進事業推進校指定による取組(R1~R3)
1 育てたい生徒像
「自らを信じ 自らを鍛え 夢の実現を ~”Depth”(深み)を生む対話と学び~」
2 育てたい生徒像を実現するための3年間の目標
○令和元年度(1年目)の目標:新学習指導要領を研究し、育てたい生徒像を実現するための教育課
程の在り方を検討する。特に教科横断的な学習活動を取り入れるためにカリキュラム・マネジメント
の研究を行う。また、新テストに対応するため、思考力・判断力・表現力を評価するテスト問題の研
究に取り組む。
○令和2年度(2年目)の目標:教育課程の実効性を高めるため、評価の在り方について研究する。
特に、主体的・対話的で深い学びの視点から、ルーブリックの活用など、多面的評価を可能とする評
価手法の研究を行う。
○令和3年度(3年目)の目標:1年目、2年目の研究活動を総括し、次年度からの新教育課程の運
用に向けて、課題・改善事項等の洗い出し・再整理を行い、PDCAサイクルの構築に向けた研究を
行う。
3 令和3年度(3年目)の研究の概要
(1)公開授業(令和3年11月)
①公民科(現代社会) 単元「政府の経済的役割と租税の意義」
②英語科 単元「Unit16 Will You Join Our New Club?」
③商業 単元「本店・支店間の取引」
(2)公開授業(令和3年9月)
①地歴科(地理B) 単元「南アジア」
②商業科(ビジネス情報) 単元「ビジネス計算」